北米では1986年モデルが最終となる。オーストラリア仕様との違いはサブタンクやオープンタイプのチェーンガード、スイングアームに付くチェーンガイド、排ガス対策のためのチャコール・キャニスターなどいくつか挙げることができる。その中でも、もっとも特徴的な装備がハンドルロックだ。レバーをリリースすることでハンドルの位置を変えることができる。これはキャンピング・トレーラーに積載するために採用された装備で、いかにもアメリカらしい。大袈裟な言い方すれば、このバイクが生まれた文化的背景を象徴するような装備だ。V8のピックアップ・トラックにキャンピング・トレーラーを連結してキャンプに行く。アメリカでは週末の日常的な光景であり、決して特別なことではない。トレーラーにはモトクロッサーや自転車、カヌーなど出かけた先で楽しむアクティビティのための道具を積んでいく。つまりCT110にとってこの装備は必然だったわけだ。
僕も将来的には自分のピックアップにCTを積んで出かけることを夢見ている。そのための先行投資とも言えるが、どうしてもこのパーツを装着したかった理由はその仕上がりの美しさにもある。ブリッジ、トリプルツリー、レバーなどが組み合わされたメカニカルな佇まい、そしてアルミニウムの質感が心をくすぐる。こういう機能とある種の美しさを併せ持ったものは少なくなっている。とても貴重だ。
磨かれたアルミニウムの質感。
この魅力には抗えない。
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